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TRAMP をインストールすると、リモートマシン上のファイルにローカル
ファイルと同じような感覚でアクセスできます。リモートファイルシステム
上のファイルの編集、バージョンコントロール、dired
を透過的
に実行することができます。
リモートマシンへのアクセスには、rsh
や rlogin
、
telnet
コマンド、あるいはこれらに類似した接続方法を使用
します。これらのコマンドは ASCII を通過させることが可能でなければ
なりませんが、8-bit クリーンである必要はありません。
このパッケージは別のマシンへの ssh
接続をサポートします。
これは、このパッケージのもっとも一般的な使い方のひとつです。特に
ftp
アクセスが許可されていない場合にも、他のマシンへの
比較的セキュアなアクセスが可能となります。
TRAMP によって実行されるアクティビティのほとんどは、リモート ログインが可能で、端末上で実行できることだけを要求します。リモート ファイルにアクセスするために、TRAMP はファイルの内容を一時的 にローカルマシンに転送します。
TRAMP は、さまざまな方法でマシン間のファイル転送をおこないます。 転送方法は簡単に選択でき、あなたのニーズとマシン環境に応じて使い わける事ができます。
もっとも速い転送メソッドは、リモートファイルの転送パッケージ、たとえば
rcp
、scp
、rsync
を使うものです。これらの
メソッドは、ファイルのコピーコマンドがリモートマシンのパスワードをたず
ねない場合にのみ有効です。
もし、リモートコピーメソッドが使えない場合のために、TRAMP は、
シェルを直接利用した符号化転送方法をサポートしています。この方法を使う
ためには、mimencode
か uuencode
がリモートマシン
上に存在しなければなりません。
上記の制限内であれば、TRAMP は非常にパワフルです。ただし、注意して おかなければならないのは、現在の TRAMP は、エンドユーザー向けの洗練 された製品とはほど遠い状態であるということです。もうしばらくの間は、時々 ちょっと困った事になったり、コードに問題があるかもしれないということを 念頭においておいてください。
すでに開発者が日々の作業に使う事ができる程度には安定しています。しかし、 インストールと設定を覚えるのは、専門用語のせいで若干難しいでしょう。
TRAMP は、まだアクティブに開発をしている最中です。したがって、どんな 些細な問題であっても、ぜひ TRAMP 開発者に報告してください。 See section 8. バグや問題の報告.
このセクションでは、TRAMP を使いリモートファイルにアクセスした時に、 舞台の裏側で何がおこっているかを説明します。
C-x C-f とタイプし、TRAMP のファイル名の一部を入力します。 それから、ファイル名の補完のために TAB を押します。これ がそのホストに対する初めての TRAMP の起動の場合、以下のような事 がおこります。
telnet HOST
か rsh HOST -l USER
あるいは、その他
のリモートホストへ接続するためのツールを起動します。これらのプロセスとの
コミュニケーションは Emacs のバッファを経由しておこなわれます。した
がって、リモートホストからの出力はこのバッファに出力されます。
telnet
の場合)。ログイン名は入力されたファイル名に含まれているので、TRAMP
はログイン名と改行を送信します。
rsh
の場合です。telnet
の場合はログ
イン名を送信した後に表示されます)。TRAMP はミニバッファにプロン
プトを表示し、パスワードまたはパスフレーズをたずねます。
パスワードかパスフレーズを入力すると、TRAMP はそれをリモートホスト に送信し、次に改行を送信します。
もし、TRAMP が、一定時間(たとえば一分)待っても、これらのメッセージを 発見することができなかったら、リモートシェルのプロンプトを発見できなかっ た旨のメッセージを出力し、リモートホストから送信されたメッセージを表示 します。
もし、TRAMP が「login failed」というメッセージを発見したら、それを 表示し、ログインを中止します。これで再びログインを試みることができます。
/bin/sh
を起動します。これは、Bourne シェルと C
シェルでは文法が異なるためです。(1)
Bourne シェルが起動されたら、TRAMP は確実に動作する環境を準備するため にいくつかのコマンドを送信します。echo をオフにし、シェルプロンプトを設定 したり、その他いくつかの事をおこないます。
TRAMP は cd
と ls
コマンド、そして時々 globbing
された echo
を実行します。これ以外に、ファイルが書き込み可能
かどうか、ディレクトリかどうか等を調べるために test
が、しば
しば使用されます。オペレーションをおこなうために、すべてのコマンドの出
力はパースされます。
TRAMP がどのようにファイルの内容を転送するのかという説明は、上を見て ください。
インライン転送のために、TRAMP は mimencode -b /path/to/remote/file
のようなコマンドを実行し、出力がコミュニケーションのためのバッファに
蓄積されるまで待ちます。そして、ファイルの中身を作成するために、出力を
復号化します。
out-of-band 転送のために、TRAMP は
rcp user@host:/path/to/remote/file /tmp/tramp.4711
のような
コマンドを実行します。そして、ローカルな一時ファイル `/tmp/tramp.4711'
をバッファに読み込み、一時ファイルを削除します。
この説明で、TRAMP を使いファイルをオープンした時に舞台裏でおこっている 事をわかってもらえることを願っています。
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